課題分析方式比較(ケアプラン作成方式一覧)
ケアマネ研修 課題分析方式
3 居宅サービス計画ガイドライン
3-1 開発経緯
全国社会福祉協議会が福祉関係の各団体との協力により、在宅版ケアプラン作成方法検討委員会が開発した方式。介護職・看護職とソーシャルワーカー・保健師など職種によるアプローチの違いを踏まえ、高齢者の全体像を把握する前半部分と、個々のケアの組み立てをチェックする後半部分を組み合わせ、介護保険給付対象者に焦点をあてたことが特徴である。
3-2 課題分析の特徴
(1) 要介護者等の生活の全体像を捉える
(2) 介護保険制度に対応する
(3) 在宅対応の計画作成用紙であり、施設サービス計画との連続性をもつ
(4) 主訴をもとに、生活上の可能性や困りごとを明らかにしていく
(5) エンパワメントを導き出す視点の導入
① アセスメント用紙は第1部「生活全般アセスメント部分」、第2部「ケアアセスメント部分」、第3部は「総括アセスメント部分」の3つから構成されている。「生活全般アセスメント部分では本人や家族の生活全般を多角的に把握することを目的とし、各項目を通して、要介護者等の身体機能(健康状態やADL等)や心理的側面(主訴や精神的側面、意向等)、社会的側面(住環境や介護者の状態等)から、生活の全体像を把握できるようにしている。
② アセスメント用紙の中に要介護認定項目を組み込み認定調査のデータと居宅サービス計画作成を関連付けて実施できるようになっており、かつ、要介護者の1日のスケジュールをアセスメント用紙に組み込んでいる。
③ 「ケアアセスメント部分」は、ケアの現状(援助の現状として家族実施、サービス実施、希望)をチェックし、要援助、希望のチェックボックスが設けられている。退院・退所や入院・入所など、施設と在宅のケアプランの連続性に留意している。
④ 「総括アセスメント部分」は全体のまとめとして、ニーズの相互関連性を分析し、整理するものである。「主訴」を起点として相談をすすめていくことで、本人や家族が主体となり、介護支援専門員が側面的な支援者となり介護サービス計画をすすめていくという考え方である。
⑤ ケアマネジメントでは、要介護者等の潜在的な力が発揮できるように支援することが求められる。要介護者等が持っている「強さ」(strength)を意識的にキャッチし、ケアプランにつなげることが重要である。個々の項目ごとに「特記事項」欄を設け、この欄に「強さ」を記入することで、要介護者等のエンパワメントに向けたケアプランを導き出すことを意図している。
3-3 ひとこと
「居宅サービス計画ガイドラインは記述する部分が多く、ベテランの介護支援専門員向きではないか。」と言われることもあるが、そのようなことはない。アセスメント用紙を見ると、項目ごとに「特記事項」が設けられているのがわかる。この特記事項は□の中のレ点や〇印、数値化できない事柄や状況の補足、メモといった以上に重要な意味をもっている。
それは介護支援専門員自身がアセスメントした根拠、裏付けになるものだからである。それぞれの領域や項目ごとの相互の関連を結びつけることによって、生活全体にわたる可能性や問題点を浮き彫りにできるからである。このような整理を特記事項→全体のまとめ→介護サービス計画へというステップを記述部分も併用している点もひとつの特徴と言える。全体のまとめはサービス担当者会議の基礎資料としても大変便利であるが、相互関連性を特記事項の段階から整理、分析ができている場合は転記が多いと感じられるかもしれない。
ケアプラン作成方式 一覧(課題分析方式比較)
1 生活援助を基礎とした自立支援アセスメント・ケアプラン(日本介護福祉士会アセ スメン ト方式)
2 成人・高齢者用アセスメントとケアプラン(日本訪問看護振興財団方式)
3 居宅サービス計画ガイドライン
4 包括的自立支援プログラム(三団体ケアプラン策定研究会方式)
5 ケアマネジメント実践記録様式(日本社会福祉士会方式)
6 インターライ方式
7 OCMAシート方式