臨床心理士 資格

心理系の資格には国家資格がなく、さまざまな民間資格が乱立しています。
しかし、数ある心理系の資格のなかで、最も権威あるとされているのが臨床心理士。
この資格の取得は簡単ではなく、就職を絶対に保証してくれるものでもありませんが、就職先やクライアントからの信頼度は確実に高まるため、他の心理系の資格と比べて迷っているのであれば、できれば臨床心理士の資格を目指したいものです。

この資格を受験するためには、大学卒業後に「財団法人 日本臨床心理士資格認定協会」の指定大学院や専門職大学院を修了する必要があります。
指定大学院は1種と2種に分かれており、2種の場合はさらに1年間の実務経験が求められ、その後ようやく資格試験の受験が可能となります。

財団法人 日本臨床心理士資格認定協会

財団法人 日本臨床心理士資格認定協会

臨床心理士 合格率

臨床心理士試験の合格率は60〜70%の間を推移しています。

臨床心理士合格率

■受験資格
受験資格基準
臨床心理士の認定試験を受けるには、当協会が定めた以下7種の受験資格基準のいずれかに該当し、かつ、これらに関する所定の必要証明資料を提出できることが条件となっています。
1 本協会が認可する第1種指定大学院(修了後の心理臨床経験不要)を修了し、受験資格取得のための所定条件を充足している者(「新1種指定校」という)
2 本協会が認可する第1種指定大学院を修了し、修了後1年以上の心理臨床経験を含む受験資格取得のための所定条件を充足している者(「旧1種指定校」という)
3 本協会が認可する第2種指定大学院を修了し、修了後1年以上の心理臨床経験を含む受験資格取得のための所定条件を充足している者(「新2種指定校」という)
4 本協会が認可する第2種指定大学院を修了し、修了後2年以上の心理臨床経験を含む受験資格取得のための所定条件を充足している者(「旧2種指定校」という)
5 学校教育法に基づく大学院において、臨床心理学またはそれに準ずる心理臨床に関する分野を専攻する専門職学位課程を修了した者(「専門職大学院」という)
6 諸外国で上記1. または3. のいずれかと同等以上の教育歴および日本国内における2年以上の心理臨床経験を有する者
7 医師免許取得者で、取得後2年以上の心理臨床経験を有する者
「心理臨床経験」とは、教育相談機関、病院等の医療施設、心理相談機関等で心理臨床に関する従業者(心理相談員、カウンセラー等)としての勤務経験を基準としています。
なお、有給を原則とするので「ボランティア」「研修員」等は認められません。

■受験申請
臨床心理士受験のための申請書類は、所定の期間内に当協会に請求して入手して下さい。1セット1,500円です。請求方法は、郵便局備付の振替用紙を用いて、氏名、住所(送付先)とともに、通信欄に「申請書類○部希望」と明記して下記の口座に送金してください。送金後1週間から10日でお届けいたします。なお、受験申込受付期間は資格審査スケジュールをご確認ください。
・郵便振替口座番号 00130-1-362959
・加入者名 (公財)日本臨床心理士資格認定協会

■資格審査の試験方式と合格判定方法
受験に必要な申請書類の提出と、審査料の納付が完了した審査申請者に対して、受験資格の有無を確認したうえで、「臨床心理士資格審査受験票」が本人あてに送付されます。
臨床心理士資格審査は、一次試験(多肢選択方式試験および論文記述試験の2種類)と二次試験(口述面接試験)で行われます。二次試験の受験資格は、一次試験の「多肢選択方式試験」の成績に基づいて判定されます。したがって、二次試験の受験資格通知は、一次試験で行われる「論文記述試験」の成績を含むものではありません。
資格審査の最終的な合格は、これら3種類の試験方式の結果を総合的に判定し、決定されます。

■一次試験(筆記)
一次試験は、100題のマークシートによる「多肢選択方式試験」(2時間30分)と、定められた字数の範囲内で論述する「論文記述試験」(1時間30分)の2種類を、1日ですべてを実施します。
【多肢選択方式試験】
「多肢選択方式試験」は、臨床心理士として最低限理解しなければならない専門基礎知識が中心です。内容は、広く心理学の基礎的設問に加えて、臨床心理士の基本業務である4種の内容(臨床心理査定・臨床心理面接・臨床心理的地域援助・それらの研究調査)に関する基礎的・基本的な専門知識が問われます。また、臨床心理士に関する倫理・法律等の基礎知識および基本的な姿勢や態度にかかわる設問も出題されます。
〈ワンポイントアドバイス〉
「多肢選択方式試験」では、専門知識の単なる暗記力よりも、臨床実践において生きた総合的な知識が身についているかが問われます。そのため単に知識や技術を学ぶだけでなく、それを実習等の臨床実践体験に照らしながら生きたものとして学ぶように、常日頃から心掛けることが大切です。
【論文記述試験】
「論文記述試験」は、心理臨床に関する1題のテーマについて、所定の解答用紙に1,001字以上1,200字以内の範囲内で論述記載することが求められます。
〈ワンポイントアドバイス〉
簡潔で論理的に内容を表現することはもちろんですが、厳密に求められた字数制限内で内容をまとめることが大切です。

■二次試験(面接)
二次試験は、2名の面接委員による「口述面接試験」で、受験者を個別に時間指定して実施されます。一次試験での「多肢選択方式試験」の成績が一定の水準に達している人に対してのみ実施します。 「口述面接試験」は、単に専門知識や技術の習得度を確認するだけでなく、臨床心理士としての基本的な姿勢や態度、専門家として最低限備えておくべき人間関係能力の実際が問われます。受験者は、面接試験の場を臨床心理面接のモデル場面のようなものと考え、日頃から臨床実践での備えをしておくことが大切。この二次試験は、臨床心理士になるための資格審査試験のなかでも、とくに専門性からの必然として重要な位置にあると言えます。
〈ワンポイントアドバイス〉
「口述面接試験」は、受験者だけでなく面接試験担当者にとっても臨床心理面接技能を実地に体験する人間関係の場となります。面接試験実施者を前にした「試験」と考えて臨むよりも、クライエントを前にした「現場(実践)」との心構えで臨むことが大切です。

■資格交付・登録
資格審査に合格しただけでは「臨床心理士」とは認められません。合格通知を受け取り、資格認定証書の交付手続きを所定期日までに完了した人に対して、本協会から「臨床心理士」の資格認定証書と携帯用の身分証明書として本人の顔写真を貼付した資格登録証明書(IDカード)が発行されます。資格審査試験に合格した後に、この手続きを完了して初めて最終的な資格認定がなされるのです。
これらの手続きが完了して「臨床心理士」の資格認定がなされると、同時に当該者の氏名等を、認定協会が発行する「日本臨床心理士名簿一覧」に登録し、これを関係機関(大学、研究所、関係官庁、施設等)に送付して社会的に公開します。これが臨床心理士有資格者の公告といわれるものです。

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