課題分析方式比較(ケアプラン作成方式一覧)

ケアマネ研修 課題分析方式


5 ケアマネジメント実践記録様式(日本社会福祉士会方式)

5-1 開発経緯
日本社会福祉士会が1995年から「ケアマネジメント研究会」を設置して、主に在宅介護支援センターでの事例を収集して検討を重ねた。1996年には「ケアマネジメント実践記録様式」を作成し、在宅介護支援センターでのケアマネジメントに活用された。現在使用されているものは、介護保険の施行にあわせて、アセスメント項目に認定調査項目にも準拠するように改定されたもので、在宅にも介護保険施設の両方に使用できる。

5-2  課題分析の特徴
 この方式の構成に関する大きな特徴は、以下の3点。
① 介護認定調査票-基本調査の82項目を取り入れて、アセスメントができるようになっている。
② 一部表現の違いがあるものの、課題分析標準項目に対応しているため、標準項目にあがっている内容はアセスメント可能となっている。
③ 使用する際に若干の工夫はいるものの、居宅と施設どちらでも使用できるため、在宅と施設で連続して使用できるように設計されている。また、領域上の特徴は以下の5点。
① 介護者・家族に関するニーズが把握しやすいように、「介護状況」に関する領域を設けた。
② 生活環境に関わるニーズが把握しやすいように、「居住環境」に関する領域を設けた。
③ より自立が図られるように、利用者にあった設備や用具が使用されているかを把握するため、ADLや居住環境の領域内に設備や用具に関する項目を設けた。
④ 外出や社会参加、また、趣味や楽しみや希望することが満たされるなどQOL(生活の質)に配慮した援助が行えるよう「生活の質と生活支援」の領域を設けた。
⑤ アセスメント票から介護サービス計画書のニーズまで同じ領域なので、アセスメント票から介護サービス計画書まで整合性のとれた内容の記入ができる。

5-3 ひとこと
●開発にあたっては福祉関係者だけでなく保健・医療の研究者に現場の実践者が加わって開発・改定がすすめられてきた。よって、社会福祉士以外のどの職種の方でも使用されることを想定している。
●日本社会福祉士会に設置された障害者(身体・知的・精神)ケアマネジメントに関する委員会の監修も受けているので、十分ではないが、一定の対応が可能になっている。
●利用者が自らサービスを選択し、自らの意向や希望に添った介護サービスが受けられるだけでなく、介護が必要になっても外出や社会交流ができ、また、役割や趣味・楽しみをもって意欲ある生活を送ることができると言う、利用者のQOLを満たすような援助を、「ケアマネジメント実践記録様式」は目指している。


ケアプラン作成方式 一覧(課題分析方式比較)
1 生活援助を基礎とした自立支援アセスメント・ケアプラン(日本介護福祉士会アセ スメン ト方式)
2 成人・高齢者用アセスメントとケアプラン(日本訪問看護振興財団方式)
3 居宅サービス計画ガイドライン
4 包括的自立支援プログラム(三団体ケアプラン策定研究会方式)
5 ケアマネジメント実践記録様式(日本社会福祉士会方式)
6 インターライ方式
7 OCMAシート方式


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